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フィリピン に留学とか移住ってとても恐そう。最近もニュースで邦人が殺されたとかニュースになってたけど、本当に大丈夫なの?銃と麻薬の怖いイメージしかないんだけど。。。
このように思っている人はとっても多いと思います。
『フィリピン』と聞くと、殺人、銃、ドラッグ、ヤクザ、売春など悪いイメージばかりが先行しているため、僕がフィリピンに住んでいるというと大体の人が『え、なんで?』、『危ないでしょ?』、『危ないから帰ってきた方がいいよ』と言ってきます。
実際に1年ちょっと住んでみて、今のところ元気にピンピンしていますし、窃盗などにも遭っていません。
多くの人はたまに日本で流れる凶悪犯罪のニュースやイメージが印象付いているのではないでしょうか。
実際に危ないのか安全なのかは数字やデータでみてみましょう。
世界の犯罪数インデックス
では世界の中でフィリピンの犯罪は多いのかどうかを見てみましょう。
こちらはNumbeoというリサーチサイトが発表している2019年の犯罪インデックスになります。
緑色の国がより安全で黄色からオレンジにかけて犯罪が多くなっていき、赤色は危険を意味しています。
このインデックスは犯罪数の合計を全人口で割って10万人あたりで計算して弾き出された数字です。
良かった!フィリピンは赤色ではないですね。
犯罪率が世界で最も高いのがなんと南米のベネズエラなんですね。
そしてパプアニューギニア、南米のホンジュラスと続きます。
アジアではカザフスタン、バングラディッシュ、マレーシアが犯罪数が多いことがわかります。
そして、フィリピンはというと世界で68位でインデックス指数が40.83となっています。
ここには載っていないですが、このレポートでは世界で一番安全なのが中東のカタールで、そして日本が2番目となっています。
日本は世界で117位(インデックス指数13.73)となっているので他国と比べてもかなり安全な国ということが言うことができると思います。
フィリピンは日本に比べる3倍ほど犯罪率が高いので日本より安全とは決して言えないですが、日本人が大好きなフランスやタイはフィリピンより犯罪率が高くなっています。
また、多くの日本人が留学するアメリカ、イギリス、中国もフィリピンより犯罪数が高くなっています。
フィリピンの重犯罪は世界と比べて多いのか?
ではもう少し具体的にみていきましょう。犯罪と一言で言ってもいろいろありますよね。
いわゆる重犯罪と言われる殺人や強盗、テロなど死亡するリスクがある犯罪を見てみましょう。
殺人の数字はカッコ内の年の10万人あたりの殺人件数になります。
この表をみると殺人件数はフィリピン8.4(世界39位)で高いことがわかります。
またアメリカ(55位)もその次に殺人件数が高く、日本(165位)やニュージーランド(144位)に比べてもかなり多いことがわかります。
ちなみに犯罪率1位の国はエルサバドルで61.8人となっていました。
テロリズムインデックスとは危険度を示す指標で10点満点が危険度マックスで点数が少なければ少ないほどテロのリスクが低くなるということを表しています。
カッコ内は前年度よりどのくらいランクが上がったか下がったかを表しています。
ここでもフィリピンは1位の7.1となっています。世界第9位となっています。
これはフィリピン南部でイスラム系組織アブサヤフやマウテグループなどイスラム過激派組織が活動拠点としてテロなどを繰り返しているためです。
ただし、ほとんどのテロはミンダナオ島の一部のイスラム教徒が多く住む地域で起こっているようです。
マニラではこの5年ほどテロは起きていません。そのリスクは過去のデータからも低いとみることができます。
インドネシア、タイ、マレーシアなどにもISなどのイスラム過激派組織が存在しているため他国と比較すると高い数値となっています。
強盗も強姦も殺人と同じように10万人あたりの件数になります。
強盗はフランス、イギリス、アメリカがかなり高いことがわかります。
フィリピンはこの3カ国よりはかなり低い数値となっていますが、アジアの中では高い強盗件数というのがわかります。
強姦に関してはアメリカ(世界14位)とニュージーランド(世界16位)が突出して高いことがわかります。
ちなみに南アフリカが132人で世界1位となっています。
南アフリカはダントツに多いですね。
またインドは人口も多いのでですが16分に1回の頻度でレイプ事件が発生しているそうです。
ちなみに韓国が13.5人(世界30位)でフィリピンは6.3人(世界56位)。
日本は下から数えて14位でした。
殺人 | テロ | 強盗 | 強姦 | |
アメリカ | 5.3(2017) | 5.7(ー2) | 98.6 | 27.30 |
カナダ | 1.8(2017) | 3.6(+3) | 61.9 | 1.7 |
英国 | 1.2(2017) | 5.4(0) | 131.2 | 17.0 |
ニュージーランド | 0.7(2017) | 0.1(ー8) | 79.7 | 25.80 |
フランス | 1.3(2017) | 5.0(ー6) | 154.3 | 16.20 |
フィリピン | 8.4(2017) | 7.1(+1) | 15.3 | 6.3 |
インドネシア | 0.4(2017) | 5.1(+7) | 4.0 | 2.1 |
タイ | 3.2(2016) | 6.0(ー1) | 1.5 | 6.7 |
日本 | 0.2(2017) | 2.3(ー11) | 1.8 | 1.0 |
引用元:殺人 https://www.indexmundi.com/facts/indicators/VC.IHR.PSRC.P5/rankings
引用元;テロ GLOBAL TERRORISM INDEX 2019
引用元:強姦 https://worldpopulationreview.com/country-rankings/rape-statistics-by-country
次にこちらの確率例をご覧ください。
身近な出来事と比較して上記数字が多いのか少ないのかを参考にしてもらえればと思います。
日本の10万人あたりの確率例
交通事故で死亡する確率 2.9人 自殺率 18.5人 コロナ感染者数 42.6人 (8月14日現在) がんの死亡率 男性362人、女性243人 交通事故に遭う確率 525人 |
フィリピンの犯罪率の推移
こちらの棒グラフをみてみてください。2016年から2018年でフィリピンの殺人件数が半分以下になっています。
現在のドゥテルテさんは2016年6月に大統領に就任しています。
その時に一気に犯罪数が上がったのですが、すぐにテロリストや麻薬組織との抗争を繰り広げ犯罪率は確実に減ってきています。
でも警察や軍隊が麻薬組織の人間などを容赦せず射殺していて2万7000人くらいの麻薬密売人が殺害されたとの報道もあります。
フィリピン政府は殺害は正当防衛が主だと主張しています。。
ただ、一般人にとって殺人者数や強盗数が減っていることはとてもいいニュースではないでしょうか。
地域や都市により異なる犯罪率
これまではフィリピンと一括りにしてお話ししてきましたが、都市別に見てみましょう。
NumbeoのSafety Index 2020によるとフィリピンで一番安全な都市はダバオ市です。
僕も行ったことありますが夜一人で歩いてもいても平気でした。
この都市はドゥテルテ大統領の出身地で彼が市長時代に治安を大きく改善したそうです。
先ほど出てきたテロリストの温床になっているのもミンダナオ島で、ダバオ市もそのミンダナオ島の中心に位置しており安全地帯と危険地帯が隣り合わせと言うのですからなんとも皮肉なものです。
順位 | 都市名(国名) | 安全インデックス |
1位 | アブダビ(UAE) | 88.67 |
31位 | 東京(日本) | 77.36 |
69位 | ダバオ(フィリピン) | 71.92 |
176位 | マカティ(フィリピン) | 58.96 |
213位 | イロイロ(フィリピン) | 55.30 |
259位 | セブ(フィリピン) | 48.58 |
334位 | マニラ(フィリピン) | 35.63 |
また同じマニラ首都圏(メトロマニラ)でも地域により犯罪率が異なります。
例えば、マニラ市やマンダルヨン市、ケゾン市は犯罪率が高いことがわかります。
逆に、ラスピナス市やパラナケ市は犯罪の多いマニラ市の約1/3ほどに犯罪率が下がります。
上記の表からもわかるように2016年から2018年にかけてほとんどの市で犯罪は確実に少なくなってきています。
しかし、日本と比較するとまだまだ犯罪が多いことがみて取れます。
フィリピンは安全なのか?
結論を言うと、フィリピンは安全ではありません!
上記のデータを見ても、日本に住んでいる日本人に安全と言えないのが正直なところです。
しかしリスクの面で言えば、ニューヨークやロス、ハワイに住んでいるのとそこまで変わらないというのも事実です。
海外では自分の身を守るのは自分しかいません。
そのためには、リスクをなるべく避けるように行動してください。
正しく恐れ、正しくリスクを最小化することがとても大切です。
海外では自分の身を守るのは自分しかいません。
そのためにはリスクをなるべく避けるように行動してください。
ちなみに参考までにですが、フィリピンで殺害された多くの日本人には、
①暴力団関係者、
②麻薬など違法取引に関わっている人、
③配偶者がフィリピン人の中高年、
④お金や女性トラブルに巻き込まれた人、
という共通点があるそうです。
犯罪リスクを最小化する方法
フィリピンに住んでいて重犯罪に巻き込まれるリスクのほとんどは、この3点セットです。
お金、ビジネス、男女の関係(結婚・恋愛)のもつれです。
ビジネスや金銭トラブルは大きな犯罪を招きます。
また、特に日本人男性の方で奥さんが若いフィリピン人女性でその女性に彼氏がいて彼氏に殺害されたと言うような話も耳にします。
このようなことをする人はごく一部の人だと思いますが、恋人も友達もお付き合いする人は慎重に選んでください。
世界中どこにいてもこれらは共通することだと思います。
それ以外にも、
①お酒に飲まれない、
②夜はグラブ(フィリピン版ウーバー)を使う、
③セキュリティーのしっかりしたところに住む、
④何かあった場合にすぐに渡せる小銭は持ち歩く、
⑤大金は持ち歩かない、
⑥路上や公共の場での”ながらスマホ”は控える、
⑦知らない人とは深入りしない、
⑧バッグは盗難に遭いにくいものを使う、
⑨満員電車や密集するところは避ける、
⑩身体を鍛える
など僕なりの犯罪リスクを最小化するためのルールはあります。
みなさんがどこの国に行こうが、それが例えフィリピンであっても正しく恐れ、自分なりのルールを作り海外で用心しながら生活することをおすすめします。
用心しながら海外生活を満喫しよう
海外生活はとっても楽しいものです。
いろんな人に出会うことができるし、その国の文化や歴史にも触れることができます。
しかし、日本以外の多くの国は安全じゃないのは事実です。
それが海外の人には当たり前なのでリスクの最小化、防犯対策することを常日頃やっています。
例えば、日本に観光に来ている外国人観光客が日本でもリュックサック(バックパック)を前に抱えているのを見かけたりしますよね。
彼らにはそう言った防犯対策が自然と身に染みているんですね。
この点では日本人は早く日本離れすることが大切です。
それが海外生活を満喫するための1番の近道かもしれません。